分銅の製造方法と取扱業者をご紹介【製造業の回覧板】

分銅の用途別種類:適合分銅

分銅は電子はかりなどの整合性を校正するために必要なものです。電子はかりは一見非常に精密なものに思えますが、経年劣化による部品の摩耗やほこり、磁場などの影響で、そのうち精度が落ちていくことがほとんどです。そのため、通常は定期的に精度のチェックを行わなければなりませんが、その時に役に立つのが分銅です。アナログな方法ではありますが、コンピューター制御の電子はかりに比べて性質が安定していて質量の変化がほとんどありませんので、これを基準として計測することで、電子はかりに誤差が生じていないかどうかを確認しています。

分銅は、用途によっていくつかの種類に分けられています。使い道としては、計量法に定められた質量の基準として用いられており、精度等級によっていくつかのクラスに分けられているもの、基準のものを認定されたマニュアルに従ってトレースし、計量器の検定や検査に用いることができる複製のもの、 投球が低く、計量器の検査という用途では用いられていないものの、天びんを用いて軽量するときに日常的に使用されているものなどがあります。それぞれに使い道によって素材や制度、校正の周期などが異なっていますので、実際に購入するときには目的に応じたものであるかどうかを確認しておくとよいでしょう。

一方で、別の分類による分け方もあります。その質量や品質、精度などをどこが認定しているかによってわける方法で、OIMLは国際法定計量機関の勧告にもとづいているものです。国際規格ではありますが、日本国内では基準分銅を用いて検査を行うことが主流になっていますので、一般的にはあまり重視されていません。ただ、等級の呼称や形状などは国際的に通用するため、特に海外にも流通を行っている企業においてはよく利用されるようになっています。

JCSSは一般的に標準分銅と呼ばれており、JCSS認定事業者制度のもとに、認定事業者が発行するJCSSの校正証明書が発行されています。一般の事業所の標準器に位置付けられており、国内では非常に信頼性のある品物です。これをトレースしたものが、複製として使われているタイプになります。計量器検査用の作業用として、広く利用されています。適合分銅というのは、各種規格に適合していることを製造者が表明している品物です。 計量法・基準器検査規則、JISやOIMLで定められているものとほぼ同じ内容ですので、どこで利用しても安心です。