分銅のメンテナンスについて

分銅は、アナログな要素が大きい分、メンテナンスの必要性を軽んじられる傾向にあります。しかし分銅も、使用頻度や材質、管理環境、取り扱いなど、様々な要素によって、質量変化を起こしています。特に材質と使用環境や管理方法の違いで、影響を受けやすいものです。分銅のメンテナンスを「校正」と呼び、行うべき時期を「校正周期」を言います。

基準分銅は計量法によって校正周期が定められています。F1クラスと言われる精度が特級のものについては、3年の校正周期が定められています。それ以下であるF2クラスと言われる一級以下のものは、使われている材質によって規定され、鋳鉄製のものは1年、それ以外のステンレス製や真鍮製などは5年となっています。これらはあくまでも基準器の場合となっており、基準器ではないJCSSでは校正周期は強制されていません。反対にいえば、基準器の校正周期は強制ということになります。

JCSSの場合には、校正周期に強制はありませんので、所有者が個々に校正周期の設定し、管理することが求められています。鋳鉄製は1年が推奨され、それ以外のステンレス製や真鍮製などは3年が推奨されています。これら推奨される校正周期をまもることによって、求めている安定性や精密度を維持することが出来るのです。JCSSが強制されていない分、管理者の意識の高さが要されています。

日々の管理方法の改善や校正によって質量変化などに対応して使用し続けますが、永久的なものではありません。とうぜん耐用年数というものがあります。校正しても分銅としての役割を果たすだけの信頼性が何にも担保できないという状態のことですが、これが材質がもつおおよその耐用年数とイコールではありません。材質だけを考えれば、ステンレス製が一番長く、その次が真鍮、鋳鉄と続きます。しかし耐食性が高いとされるステンレス製であっても、腐食や経年劣化がないわけではありません。

どのような加工が施されたかによっても、耐用年数は飛躍的に延びます。表面の粗さを減少させ、微量元素を除去したり、酸化膜を強化したりといったプロセスを踏むことで、腐食への耐性も向上します。このような技術は近年大変伸びています。耐用年数を一概に言えないのは、「製品特性の違い」も大きくかかわってくるからです。一般的には、使用環境に留意し、管理方法を製品特性にあったものに徹底することで、耐用年数を延ばすことが可能です。